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【書評】トリプルメディアマーケティング

更新日:

「Twitterがやりたい」ってどういうこと?!いまさら聞けない!メディア=媒体名と考えてしまっているアナタへ!

メディア回りで仕事をする中で、仕入れやセールスだけでなくメディアを切り口にしたマーケティングの勉強がしたくて本書を手に取りました。
読んでみたところ、メディアの分類と考え方についてわかりやすくまとまっており、頭の整理に非常に役に立ちました。
また、本書の考え方と自分の経験を通じて今後のメディアに対する所見を述べてみようと思います。

【目次】

・本書の概要
・本書の紹介
・本書を読んだ所見と持論の展開

【本書の概要】

著書名:トリプルメディアマーケティング
著者名:横山隆治(ADKインタラクティブ)
初版:2010年7月

そもそも「メディア」と聞くと何を想像するでしょうか?

情報を得るための手段

TV・新聞・ラジオ・ネットニュース・企業のHPなど。
主語は生活者です。
自分から見に行くもののイメージですね。

「広告メディア」というとどうでしょうか?

商品を売るための手段

TVCM・新聞広告・ラジオ広告・ネット広告・など屋外広告なんかもそうですね。
主語は事業者です。
求めていないけれども勝手に表示されているイメージですね。
媒体名で表現されることも多いです。Twitter広告、など。

どうしても広告メディアを売って利益を得ている立場からすると、メディア=媒体名の意識なんですよね。

これが結構ややこしい。。特にSNSなんかはとてもややこしい。
Twitterを例にすると、

①A社のTwitter広告が話題になる
②A社が自社TwitterアカウントでTweetを展開して話題になる
③A社についての口コミTweetが話題になる

この3つは全く違ったアプローチなのです。

生活者からすると、すべてTwitter上の情報ですし、見た目もそんなに変わりません。
※広告枠には【PR】などのマークがつくのですが。

正直なところ「Twitterがやりたい」は何がしたいのか分からないのです。

これが「SNS」という言葉で丸まって飛び交っており、非常にややこしく感じています。

そんなときの思考の整理に、本書は非常に有効かと思います。

【本書の紹介】

本書の中で、メディアは以下の3つに定義されております。

◆PaidMedia

=事業者がお金を支払って購入するメディア
・Real:例)マス広告
・Online:例)ネット広告
・長所)即時性・調達可能
・短所)媒体価値の低下

◆OwnedMediaメディア

=自分で保有しているメディア
・Real:例)カタログ・従業員
・Online:例)ウェブサイト・自社SNS
・長所)コスト効率・長期性
・短所)成熟に時間がかかる

◆EarnedMedia

=信頼や評判を得るメディア
・Real:例)ユーザー口コミ
・Online:例)消費者ブログ
・長所)信頼性・影響力
・短所)コントロール不可

私の中で「Twitterがやりたい」へのもやっとしたイメージがクリアになった瞬間です。

つまり、

①A社のTwitter広告が話題になる

これは事業者がお金を支払って購入しているメディア(=PaidMedia)です。
こちらは表示の方法を事前に指定できたりと、事業者の要望に合わせてパッケージ化します
いわゆる広告メディアになります。

②A社が自社TwitterアカウントでTweetを展開して話題になる

これは事業者の担当者が運用しているメディア(=OwnedMedia)です。
サービスの登録は自由ですが、数あるアカウントの一つですので価値が出るには時間がかかります。
代行するサービスなどもありますね。

③A社についての口コミTweetが話題になる

これは企業とは関係のない人のメディア(=EarndMedia)です。
ファンであればよいことを書いてくれるかと思いますが、クレーマーも同じようにTwitter利用者です。
いかにファンになってもらい、良いイメージを拡散してくれるかがカギになります。

まずはTwitterで何がしたいのか?
それによってどういったストーリーで戦略を立てるかが変わってきます。

本書では上記メディアをどう組み合わせマーケティングに活用していくのかの手法論を事例を用いて解説しております。
中でも特に、デジタルに対してどれだけ投資できるかが未来へのカギとして描かれております。
・広告クリエイティブから情報クリエイティブへ
・「売る理由」から「買う理由」へ
・ブラックボックスだった広告レポートが効果測定可能に
といった項目が12章立てで紹介されております。

上記は本書の要素としてはほんの一部です。気になった方はぜひ手に取ってみて下さい。

【本書を読んだ所見と持論の展開】

本書内で一貫したスタンスとして「ブランド認知だけでは購買行動を促す力がなくなった」と言っております。
この考え方は、いわゆるマスメディア⇒デジタルメディアへの歩み寄りを促す内容と解釈しております。
それを受けて、逆にデジタルメディア⇒マスメディアに起きる変化について考察してみました。

①広告出稿への慣れ「TVCMやってみたい」の増加

デジタル広告の盛り上がりにより、広告=大量のお金がかかる、ものではなくなってきております。
クレジットカードがあればFacebook上に広告を掲載できますし、OwnedMediaで事業を展開している人も多くいます。
そうなってくると、広告出稿自体のハードルが下がり、広告主が広告出稿に慣れてきます。
この観点は結構重要かなと思っており、「テレビ広告やってみたいなあ」と思う個人事業主の方々も増えるのではないでしょうか?
もちろん、Facebook広告にも掲出ルールがあるようにTV広告にもルールがあります(結構厳しい)。
しかしながら、マスメディアが大手ナショナルクライアントのものだけではなくなってくるのではないかと思います。

②デジタル専業のマスメディア対策要員

マスメディアの影響力の低下が叫ばれて久しく、マスメディア側はいろいろな対策を講じています。
Web上でのコンテンツサービス提供やデジタル連動など、セールスを強化しようと歩み寄っています。
総合広告代理店も自社のデジタル部門を強化するために多額の投資をしております。
しかしながら、デジタル特化の代理店側はというとデジタル領域のみの運用に終始しているような話を耳にします。
※最新の業界地図で、広告の項目にデジタル代理店が出てきたことには本当に驚きましたが。。
上記に伴い、デジタル特化の代理店にとってマスメディアへの投資は逆説的に重要なものになってくるのではないでしょうか?

以上です。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

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